『黒犬』の優樹さんの感想・レビュー

顔に出せない吉沢くん(2) (ガンガンコミックスONLINE)

著者 : 310

• スクウェア・エニックス (2016年4月22日発売)

３１０先生、気持ちに余裕を持て始めたのか、面白さが先巻より強まっている
生きてりゃ、誰だって、コンプレックスの一つや二つ、己の中に生じる
そんな時、自分の事を理解しようとしてくれる友達がいれば、自分の嫌な所と真っ向から向き合って受け入れる勇気を得られるんだろう
ホントは、感情が豊かだけど、表情筋が硬すぎる吉沢くんは、そんな青春の友情ドラマを描くには、ピッタリの主人公だと思う。誰かに、憧れや感謝を抱くたびに、顔が緩み、出したい感情を顔に一瞬だけ出せるようになるってトコが、これまた、キュンと来る
この（２）で活躍している、宮崎さんも、レギュラー陣に負けない個性の持ち主だった。まさかの正体に仰天した人は多かろう。私は、このギャップ、有りだと思う
また、新登場の青葉の姐さんも、キャラクターとして芯がある。声優には明るくないので、若本則夫さんを検索したのだが、なるほど、こんな声か。インパクトあるわなぁ、これほどの威圧感がある声を女子高校生が轟かせたら
この（２）でも、吉沢君と相馬は、田中くんと太田に劣らぬほどイチャイチャしているのだが、どうやら、吉沢くんの胸は、井出さんの優しさに触れた時、チクリと痛むようになったよう。本人が無自覚のまま構築された、この三角関係、どんな形に変わるのか、楽しみだ
けど、それ以上に気になるのが、早とちりな副会長の暴走だな
果たして、今度は、どんなイチャモンを付けてくるのやら
でも、大丈夫か、相馬らが一緒にいれば、大抵の事は力を合わせて突破できるだろうし
どの回も面白かったけど、個人的に推しなのは、井出さんと青葉の姐さんの美しい友情が、どのようにして結ばれたか、が描かれている「出せない１１」だ。ホント、井出さん、イイ娘だわ。ちょっと、思いこみが強くて、突っ走りすぎちゃうトコもあるけど、その誰かの為に動けるってトコは人間として素晴らしい
この台詞を引用に選んだのは、特に友情の素晴らしさを感じる事が出来るから。感謝の念を抱け、どんな困難でも引っくり返せる自信を己の中に湧かせてくれる親友がいる事は、男にとって、人生の中でも一、二を争うくらいの倖せであろう

感想投稿日 : 2016年6月10日

読了日 : 2016年6月10日

本棚登録日 : 2016年6月10日