去年の11月に出されたわりと新しめの1冊。1945年以降の日本という「国家」が戦争をどのように捉えてきたのか、を時代の変遷とともに描いた1冊。新書にしてはややボリューム多めですが、東京裁判から教科書問題、靖国問題、慰安婦などなど、いわいる「歴史問題」をここまで集約してくれた本はなかなかお目にかかれないと思うので、非常にお買い得な1冊だと思います。基本的に日本の資料のみで構成されていて、そのせいなのかなんなのか、日本の国勢のみで国際事情が語られている気がしないでもないのですが(極端な書き方だけど)、そのぶん、ある程度、話が単純化されていて、わかりやすいといえばわかりやすかったです。全然どうでもいいけど、土井たか子さんがわりと地位のある人だと初めて知りました。結婚したい。

「社会思想」といっても何のことか僕にはピンとこないのですが、この本における「社会思想」というのは、ざっくりいえば、高校の倫理で習うことそのものです。つまり、高校で倫理をやった人にオススメの1冊。一応、「大概のヨーロッパの啓蒙思想=ヨーロッパ至上主義な社会進化論っぽい」という前提のもと、現代の日本の(世界の?)ヨーロッパの思想を重視する傾向を批判する、というテーマに沿って展開されるのですが、正直、そんなテーマはどうでもよくて、倫理で出てきた有名人を、これでもかというくらいに網羅してくれているところが、懐かしくて楽しくなります。この手の本だと、岩波ジュニア新書の『ヨーロッパ思想入門』がポピュラーな気がしますが、出来不出来はわからんけど、個人的にはこっちのほうが面白かったです(というか、読みやすい)。

読書状況 読み終わった [2012年2月11日]
カテゴリ 哲学

新書でサクッとベトナム戦争について知ろうと思ったのに、とにかく長い。戦争の悲惨さとか空しさとかよりも、何よりも、作者の頑張りが伝わってくるのですが、とりあえず、高校の世界史なんかでは看過されがちな、ベトナム、カンボジア、ラオスといった「仏領インドシナ」地域の歴史を知るうえでは、非常に参考になると思います。ただし、情報量が多すぎて、一回読んだだけの僕は、もののみごとに内容を忘れてしまいました。でも、読後の達成感は、普通の新書では味わえません。索引も人物紹介までも丁寧についているので、ここらへんを勉強したいっていう方の入門にはぴったりだと思います。

「ラストエンペラー」で有名な溥儀の一生を、溥儀の自伝「我が半生」への批判を取り入れつつ、ある程度小説チックに紹介した1冊。事実は小説より奇なりを地でいったような溥儀の人生は、ただただ圧巻です。清朝の皇帝として生まれ、廃帝となり、日本の皇族と兄弟関係になり、戦犯として裁かれ、最後は時計仕掛けのオレンジのように「改造」される。平和ボケしている自分の人生を見つめ直したくなるような伝記です。

文芸春秋の発行で、「韓国の「国史」教科書を書き換えよ」なんてアジッた副題からは、いかがわしさを感じずにはいられないのですが、実際のところ、かなりマトモな著作です。韓国では「親日的」と大バッシングを受けたそうですが、韓国の国定教科書並びに韓国人の歴史観への批判をテーマとしており、その点で、たしかに「親日的」と受け取れる側面もあるものの、ただ、これを「親日的」と解釈するのはあまりにも短絡的。筆者は(筆者なりの)正当な理由で日本の植民地支配を批判すべきだと述べているわけです。韓国人だけでなく、日本のいわいる「ウヨク」や「サヨク」に対して訴えかけるものも大きいはずです。作者は李朝専門の経済学者なので、全体的にどこまで実証的であるのかはいささか疑問が残りますが、とはいえ、是非とも読んでみて欲しい1冊です。

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