生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1994年10月26日発売)
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本棚登録 : 1811
感想 : 130
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マジシャンVS超能力者。

ミステリとしては普通です。
しかし多くの方が語っている通り、この本に施された仕掛けが凄い。
16ページ毎に袋とじになっていて、表に出ている部分だけを読むと短編小説になっています。そして袋とじを開くと本編の長編小説が現れ、さきほどの短編小説の文章は本編にとけ込んでしまいます。

この仕掛けだけでも凄いのですが、短編と長編では登場人物のキャラクターや小道具の状態、比喩表現の意味合いなどががらりと変わってしまうのが面白いです。特に短編でのとあるセクシーなシーンが長編では全く違った様相を呈しているのには笑ってしまいます。
まさに泡坂マジック。人間の先入観とは恐ろしいものです。

古本で入手したので袋とじ部分は開封済みだったのですが、16−17ページの見開きから読み始めて、32−33、48−49...と読んでいき、最後に208ページを読めばよいと教えてもらったので楽しめました。
全て読み終わった後に、短編部分がどう長編につながっているのかを確認すると本当に感心します。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 泡坂妻夫
感想投稿日 : 2012年5月18日
読了日 : 2012年5月18日
本棚登録日 : 2012年5月18日

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