明治から大正にかけてシベリアや満州で諜報活動に従事した、石光真清の手記。明治元年から日清戦争が終わるまでを舞台にした、壮大なプロローグ。<br>
<br>生活史としても大変素晴らしく、西南戦争の舞台になった熊本での生活、当時の東京での暮らしやそこかしこに登場する後世まで名を残す人物達との邂逅、日清戦争後の所謂台湾平定における戦闘の描写など見所は沢山ある。<br>
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石光真清は秋山真之と同じ年の生まれだけど、石光は陸軍を選んで秋山は海軍を選んだ。2人の生活はどちらかというと石光の方が不真面目に見えるけれど、石光の場合は手記なので真実見がある。坂の上の雲で描かれる秋山の人物像とは一概に比べられない。けれどそこを踏まえて環境や考え方や生活を対比させてみるのもまた非常に面白い。
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- 感想投稿日 : 2007年11月14日
- 読了日 : 2007年11月14日
- 本棚登録日 : 2007年11月14日
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