ヒュウゴは私のすきなキャラの一人です。

ヒュウゴがどうしてタルシュの「鷹」になることを決意するかの経緯を描いた物語。ちゃんとチャグムとバルサとの関連もほのめかされていて、守人シリーズの世界から逸脱していません。ただ、やっぱり本編があまりにも好きだったので、星4つになりました。

バルサの過去の話も掲載されていて、こちらは読んでてなんというか、胸が痛くなりました。これは星5つでもいいかなあ。

いずれにせよ、世界観がしっかりしているファンタジーはリアリズム小説に負けない説得力があります。異なる世界に住む住人たちを描いているとはいえ、現実に起こることはこの世界のアナロジーなのだから。

上橋さんは擬音語を使うのがお好きなのね。

2016年9月15日

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読書状況 読み終わった [2016年9月15日]
カテゴリ Children and YA

長くかかりましたが、終わりました。

Willが心を開いたあたりから、俄然面白くなってきて、読むスピードもあがった。結婚式の場面は痛快でもありました。

ハッピーエンドではないけれど、悲劇でもない。人の人生に影響を与えることができた人は、それだけで大きな何かを成し遂げたことになるんだなあとしみじみ思った。

最初はとっつきにくかったのです。やっぱりイギリス英語の口語表現が苦手なんだと思う。これもいつかaudiobookを入手して耳からも慣れたいと思います。

映画化されるんですね。『世界で一番大嫌いなあなたへ』。原作とどう違うのか、見てみたいような、私の中の絵が変わらないかどうか不安なような。

イギリス英語攻略したいですねぇ。

2016年10月2日

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読書状況 読み終わった [2016年10月2日]
カテゴリ Literature / Novels

読み終わった〜!!

ポッターシリーズでは一番のめりこめた。これまでの伏線が収束して、テンポもよく私好みのスピード感。ここに至るまでは伏線の意味もあって、時々疲れる部分が多かった。

なんと言っても最後のオチ。これは映画を見て知ってはいたけれど、やはり感動します。ダンブルドアの先を読む思い遣り(途中で誤解されることも承知の上で)にも心を打たれるし、スネイプの印象が決定的に変わる。同じテーマはL'Engleの"Wind in the Door"や、あの『セーラームーン』でも扱われるけれど、やっぱり自らを犠牲にする行為によって、人は生を得るのです。逆説的だけど。

不思議なのはどうしてLilyはJamesを選んだのかということ。そのあたりを番外編で書いてくれるといいなあ。

これもまたイギリス英語です。最近趣味で読む本はイギリスものが多い。口語表現がやっぱりアメリカ英語と違うので、推測しながら読む部分も多いのですが、堪能しました。

Audiobookも入手。やはり音の助けがあると、理解が深まる。

私が好きなのは最後の対決の場面で、ポッターが「Experiarms」を使ったところ。死を制するのは、死の呪文でもないのです。そして死を覚悟した者だけが、生を存分に享受することができるのだなあと。

スネイプさんとLilyのpatronumが同じっていうのも面白い。

2016年9月27日

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読書状況 読み終わった [2016年9月27日]
カテゴリ Children and YA

原作理解の確認の意味で読んでみた。

私が原作から受けた印象とは違う会話体だけど、本書が書かれた時代背景を思えばこういう訳になるんだろうな。訳を現代の読者よりにするか、書かれた時代を尊重するかは難しいところでしょうね。

翻訳のシフトについて考えさせてくれました。

2016年9月22日

読書状況 読み終わった [2016年9月22日]
カテゴリ Literature / Novels

分かりやすかったけれど、語りには注意。

冒頭部分と終わりの部分、そして忘れた頃に出来事中に「全能の語り」なのか、作者なのかわからない語りがしゃしゃり出てくる。全体的にはWinterbourneの視点で書かれているのだけれど、この何者か正体不明な語りがすべてを煙に巻いてくれちゃう。最初と最後にでてきた女性は何者なのか、とか。

議論のしどころ満載です。

文学の技巧という意味では面白いです。Henry Jamesは「The Ambassadors」を読んだ時「難解」というイメージが強くて敬遠してたけど、これは読みやすかった。この時代のヨーロッパではWinterbourneのような態度が是とされたんでしょうね。それでも彼はかなり積極的だと思うけど、今の時代の私から見たら、「もっとバシッと決めんかい!」と思ってしまう。逆に今の私の目にはDaisyの行動は好ましく移ります。

書かれた当初はどうだったんでしょうね。

英語は読みやすいけれど格調があります。こういう英語を一回で聴いて内容をとるのは難しいので、Audiobookも入手しました。

2016年9月20日

読書状況 読み終わった [2016年9月20日]
カテゴリ Literature / Novels

妻を亡くした夫の、母を亡くした子供たちの、悲嘆から立ち直るまでの物語・・・なんだけど、韻文のスタイルをとって書かれています。

そしてカラスとの交流。カラスの役割は悲嘆の仕事を終えるまでの支援者といったところかしら。

はじめはとっつきにくいと思ったけれど、これは多分英語のせい。あとは欠けている情報のパズルのピースを埋めるような作業を読者が負わなければいけないからだと思う。もうひとつはイギリス英語の口語表現の部分。やっぱり私はアメリカ英語に慣れてるんだなあと思う。

比喩的な部分はわかるときれいだと感じる。

短いのだけれど、とても美しい話です。2回読むと良さがよりよく分かる。表現を楽しめる本でもあります。

2016年9月10日

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読書状況 読み終わった [2016年9月10日]
カテゴリ Literature / Novels

最初は何がなんだかよくわからなかったんだけど、途中から分かってきた。

以下、ちょっとネタバレ。
child abuseとそのトラウマの物語ね。親の暴力を狼男としてしか認識できないところに、トラウマをトラウマと認めたくない心理がよく現れてる。現在と過去が交代の章立てになっています。あと、主人公の呼び名が過去と現在で変わるから、はじめは少し混乱する。それがわかってくると俄然読みやすくなって、面白くなる。

2回目に最初の方を読み返すとなる理解が深まる。心理描写を描く英語の流れがきれいな本でした。文学的技巧も楽しめます。ただし好みは分かれるかもしれません。

2016年9月1日

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読書状況 読み終わった [2016年9月1日]
カテゴリ Children and YA

ケイト・グリーナウェイ章受賞作。

ベースになっているのは「眠りの森の美女」なんだけど、物語のなりゆきは全然違います。いい意味で期待を裏切ってくれます。

眠り姫の正体、眠り姫を起こすのがクィーンっていうのがいい。そしてクィーンの最後の選択も。

いかにもゲイマン的で、Gaimanファンの私としてはとっても満足いたしました。

イラストも素敵です。

2016年8月26日

読書状況 読み終わった [2016年8月26日]
カテゴリ Children and YA

アメリカ農夫がイギリスの教養人に向けて綴る12通の書簡から成るフィクション。

クレヴクールのこの作品は学部時代、いろんな授業で言及されてたから一度は読みたいと思っていた。

で、これを選んだわけですが、初めは割と読み易いと思っていたけれど、「手紙4」あたりから難しくなってきた。シェイクスピア英語に近い英語で、一度目を通した後、訳書で確認。特に自然の描写、捕鯨の描写のあたりがイメージしにくいだけに難しかったけれど、読書百遍とはよくいったもので、何度も目を通した部分はわかるようになっていた。

シェイクスピア時代の英語、ホーソーンやポーの英語は私にとって好きだけど難しいものなのですが、やっぱりがっつり取り組めばそれなりの実りはあるんだろうなあと思わせてくれました。

さて、内容ですが、実にきめこまかい観察眼に驚かされます。まだ植民地時代のアメリカの様子、アメリカ人になるとはどういうことか、など哲学書・歴史書・自然観察書の要素が含まれています。

課題のために選んだ本で、けっこう急いで読んだけど、夏休みの間にじっくり辞書を引き引き再読したいと思っているんだけれど、できるかな。

2016年7月29日

読書状況 読み終わった [2016年7月29日]
カテゴリ Literature / Novels

これは邦訳版を中学生の頃に読んだけど、「頑張ってつったカジキマグロが無残にもサメに食われてしまう」というストーリーしかその頃は心に残らなかった。

今、読んでみると味わい深い。自然の細かい描写とか、老人のマグロに対する愛情にも似た気持ちとか。語りという面でも興味深い小説でした。

これでノーベル賞を受賞した理由がわかった気がしました。

ちなみに私が読んだのは違う版なのですが、出てこないのでこれに。

2016年7月13日

読書状況 読み終わった [2016年7月13日]
カテゴリ Literature / Novels

今、2回目読み返し中。

フラッシュバックと現在が入り混じる形の章立てで、初めは「??」と思っていたけれど、途中からぐんと面白くなりました。心情的にも今の私に近くて、共感を抱いた。

こどもの頃受けた傷がトラウマとなっている現在と、そのトラウマを物語る過去のエピソード。文体もリズム感があって読みやすいです。

「受けた傷」の部分がとても衝撃的。Spoiler Alert!なのでこれ以上は書きません。

2016年8月29日

読書状況 読み終わった [2016年8月29日]
カテゴリ Children and YA

ながーいながーい時間をかけてようやく読み終わりました。

事情があって、昼間は他に読むものが山積していて、十数冊同時進行読み状態(というか、研究です)なので、楽しみのための本は寝る前か、頭を切り替えてリラックスするために読みます。

さて、ハリー・ポッターシリーズ第7巻。映画より濃いですね〜。個人的にはダンブルドアが死んだ後、ハリーがジニーに言う台詞がよかったな。

このシリーズは映画を先に見ているので、絵が浮かびやすいです。ファンタジーもここまでくると、やっぱり絵の助けがあると分かりやすさが全然違う。

でも、「しんどいなー」と思いながら読んでいた部分も結構多いのです。なかなか「ぐーー」とのめり込めない部分が随所に出てくるのはなぜだろう。

2016年6月17日

読書状況 読み終わった [2016年6月17日]
カテゴリ Children and YA

読み終わった、というより「眺め終わった」んですけどね〜。

おいしそうです。

ラコルカをほうじ茶にするとは、にくいアイディアです。

「守り人」シリーズには食べる場面がたくさん出てきて、いつも「熱いバム(発酵していないパン)にラガ(バター)とハチミツをたっぷりかけて」なんて場面が出てくると、「わー、おいしそうだなぁ」と思っていた。それが実際に写真で出てくると、楽しいです。

誰か作ってくださいな。

2016年6月3日

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読書状況 読み終わった [2016年6月3日]
カテゴリ Children and YA

番外編が3編ほど。

ジグロとバルサの関係がわかる。バルサが初めて人を殺めた時の描写は心に迫るものがある。

タンダは少年の頃から、タンダだったんだ。やっぱり好きだな、この人も。

カテゴリは「YA・児童文学」にしてあるけれど、このシリーズは本当は年齢のジャンルの枠を超えていると思う。「The Lord of the Rings」と同じように。

2016年5月30日

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読書状況 読み終わった [2016年5月30日]

この巻でも感動。

バルサとタンダの愛のシーンがよい。あれは究極の愛。といってもロマンチックな場面ではありません。でも心から愛する人だから、バルサはあの決断をし、決行したんだと思う。

人の想いが一気呵成に心に流れ込んでくる。

すべての人に、すべての思いと哲学がある。
正義はひとつだけじゃなくて、人の数だけある相対的なものなのかもしれない。もちろん、暴力や戦争、殺傷行為は正義とは言えないけれど。

2016年5月23日

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読書状況 読み終わった [2016年5月23日]
カテゴリ Children and YA

サグとナユグの謎が解ってきます。一巻(『精霊の守り人』)にだんだん近づいてくる。

チャグムが膝まづく場面ではその心情が細かくかかれていて、「ああ、なんて人間らしいんだろう」と。

ファンタジーだけど、すべての登場人物が人としてリアルです。

2016年5月20日

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読書状況 読み終わった [2016年5月20日]
カテゴリ Children and YA

様々な人の思いが交錯する。どの人も、それぞれに国のためを思って行動するけれど、ある人にとってはその行動が苦悩の元になったり、利得の元になったり。

世界観が緻密で安心して、この物語の世界に入れます。

チャグムとバルサ再開の場面は何度読んでも飽きません。
やっぱりチャグムとバルサとタンダだ。うん。

ヒュウゴのキャラもいいですね。筋が通ってます。

2016年5月17日

読書状況 読み終わった [2016年5月17日]
カテゴリ Children and YA

チャグム、バルサ、タンダが大好きなのです。
「蒼路・・・」ではチャグムを満喫できます。
彼の意思、決意、行動、すべてに惹かれます。
この巻はチャグムを満喫できる巻。そして次の大河ドラマへの前哨戦となる巻です。

2016年5月15日

読書状況 読み終わった [2016年5月15日]
カテゴリ Children and YA

このシリーズは今の私のブームです。
この世界に浸ったら、しばらく帰ってこれません。

2016年4月20日

読書状況 読み終わった [2016年4月20日]
カテゴリ Children and YA

これはカテゴリー選びにちょっと迷った。初めはあまり乗らなかったけど、伯爵と王が出てきたあたりからどんどん面白くなった。本当は原作から読むべきだったんだけど、ちょっとフライング。原作をちょっと見てみると、以外と英語のほうがテンポに乗れそうな感じ。読了して感じたのは、詳細は省くけれど、やはりこれは亀井俊一氏が述べるようにアメリカ文学史上重要な作品だということ。

アメリカ南部訛りや当時の黒人の話し方を日本語に訳し出すのは大変なことだと改めて感じた。

2016年3月20日

読書状況 読み終わった [2016年3月20日]
カテゴリ Children and YA

読了後の満足感は相変わらずだけど、1−3巻に比べるとちょっとテンポがゆるく感じた。人物の性格が本物の世界のように書き分けられていて、本当に世界観がぶれないなあと感じる。個人的にはやはりバルサだけでなくチャグムにも登場してほしい。この後の伏線になるみたいだから、仕方ないけど。人物の言葉が心の琴線に触れる。

2016年3月16日

読書状況 読み終わった [2016年3月16日]
カテゴリ Children and YA

のめり込みました。チャグムの言葉に自分の理想を重ねた部分があります。上原さんの世界は『Earthsea』の世界を彷彿とさせます。

2016年3月15日

読書状況 読み終わった [2016年3月15日]
カテゴリ Children and YA

翻訳であることを感じさせず、すんなりと話に入っていけました。でも私が原文の語調から受け取ったリズムと少し違った(いい悪いではなく、違ったというだけ)。美しいお話という印象は原著と同じ。

2016年3月12日

読書状況 読み終わった [2016年3月12日]
カテゴリ Children and YA

とても美しい物語でした。最初は断片的に情報が出てくるので推論しながら読む必要あり。ちょっと『Sara, Plain and Tall』のスタイルに似ています。孤児のHollis Woodsは絵の才能を持つ女の子。でもなかなか養子縁組先が見つからず、里親を転々としている。そんな彼女が初めて居場所を見つけたのは・・・。自分の才能も含めた「居場所」を求める成長物語。認知症の問題も軽くだけれど扱われている。

2016年3月10日

読書状況 プレイし終わった [2016年3月10日]
カテゴリ Children and YA
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