私はここに描き出されている漱石の姿は自分とそっくりだと感じた。自我に苦しみ他者に脅かされ続けた一人の作家であり生活者でもあった漱石の像は現代にも通じる普遍性をもっているのだ。江藤淳が自身と漱石を重ね合わせるようにして著述していることも大きく影響している。江藤淳の漱石に共感する気持ちが読むものに伝わるので、あたかも江藤淳を通じて漱石と気持ちを通じ合わせているような感動を呼び起こすのだ。とても励ましをもらえる本である。
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- 感想投稿日 : 2014年4月5日
- 読了日 : 2014年4月5日
- 本棚登録日 : 2014年4月5日
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