メタモルフォシス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2015年10月28日発売)
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本棚登録 : 478
感想 : 59
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久々に読んでいて涙目になった本です。一旦読みはじめた本は最後まで読むと決めているから投げ出さなかったものの、これは本当につらかった。芥川賞作家の羽田圭介、先日読んだ『御不浄バトル』もあまりの下ネタにゲンナリ、これは凄絶なSM本。こんなだとは知らなんだ。羽田圭介、もう読まない(笑)。

表題作と、その原点となったという『トーキョーの調教』の2編を収録。前者は独身の証券マン、後者は妻子あるアナウンサーが主人公で、どちらもマゾ。周囲の目を忍んで、無店舗型のSMクラブの女王様から痛めつけられることに至福を感じています。メニューの中身が壮絶で、放置プレイの段ですでにおぞましいのに、スカトロの描写は本当に耐えがたく、もう勘弁してよと思いながらなんとか最後までたどり着きました。

解説で島田雅彦氏が「小説家は変態くらいでちょうどいい」とおっしゃっています。凡人にはおよそ理解できないSMの世界、小説家の世界。これを映像化するとしたら、みうらじゅん原作の『変態だ』(http://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/6083a042a5e0a2bd224a13478f1e188d)の遥か上を行く変態映画になることはまちがいありません。絶対に観たくない(笑)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 既読(2017年)
感想投稿日 : 2017年4月28日
読了日 : 2017年4月28日
本棚登録日 : 2017年5月15日

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