非常に男臭い、けれども荒っぽいだけじゃなく繊細なところのある映画。その微妙なところの入り混じった感じがとても気に入った。主演の二人の男臭い印象と、多々挟まれていたサイケデリックなシーンの印象と、そして主題歌とのギャップがそう感じさせるのだろうか。
まず、ジョン・ヴォイトとダスティン・ホフマンという凸凹コンビがいい。すごくマッチした二人だと思う。
ヴォイトはジョーという自らの男性的魅力を金持ちの女に買わせ金を稼ごうとする若者を、ホフマンはリッヅォという足の悪く社会の隅っこでなんとか生きているまさにネズミのような男をそれぞれとても自然に演じていた。なによりこの二人の友情がとても男性的で観ていて心地よかった。
好きなシーンはジョーが寝つき間際に「リコリコリコ……」とふざけて連呼するところ、寒さを紛らわすため二人でラジオから流れる音楽に合わせて踊るところ、空想シーンでリッヅォがまるで足など悪くないかのように砂浜の上を駆け抜けるところなど沢山ある。
希望を抱き田舎から都会へ出てきた若者の夢がやぶれてしまう、よくあるテーマにもかかわらず、素晴らしく演出されていて単なる青春映画ではない。ジョーが徐々に過去と決別していく過程も必見である。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
アメリカン・ニューシネマ
- 感想投稿日 : 2013年3月3日
- 読了日 : 2013年3月3日
- 本棚登録日 : 2013年3月3日
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