「主人公」が自殺をした趣旨を手紙で知り、主人公との出会いから現在までの思いでを物語として「私」こと語り手が綴る、といった物語。
正直、主人公である斎木犀吉は、モラリストだの哲学者だのと書いておいて、身勝手で奔放な男だと思っていたのですが、最後の章でのやり取りや、海外へと出ていくさいの葛藤など、書き手目線で捉えると「嫌なやつ」としか思えませんでしたが、主人公である斎木目線で見てみると、それとはまた別の思いが浮かぶなど、大江が得意とする本人の体験に基づいた書き方もあり、著者の傾向がわかるような作品です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年10月2日
- 読了日 : 2011年10月2日
- 本棚登録日 : 2011年9月25日
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