“とにかく。
親ではない親を。
娘を殴るような親を——庇おうとしている。
そんな羽川が。
僕は友人として——素直に気持ち悪かった。
なんだこいつ。
なんなんだ、一体。
「暴力が仕方ないなんて——何言ってんだよ。お前がそんな言葉を吐いちまっていいのか?それは、お前が、もっとも許せないことじゃ——」
「いいじゃない——一回くらい」
羽川はそんなことを言った。
いや。
僕は、そんなことを言わせた。”[P.120]
「つばさファミリー」
知らぬまに、落ちているのが初恋だ。
“「だけど阿良々木くんの気持ちってのも、あるんじゃないのかい?」
「僕の——気持ち」
「僕はてっきり、阿良々木くんは委員長ちゃんに恋しちゃってるんじゃないかと思ってたけれど」
「馬鹿言うなよ」
僕は笑う。
にやりと笑う。
そして——
ここはにやりと笑って、格好のいい場面である。
「僕は羽川に、恋しちゃってねーよ」
「そうかい」
「そうだよ」
そういうことに——しておこう。
それが一番、幸せだ。
はっはーと、忍野も笑った。軽く笑った。”[P.301]
読書状況:読み終わった
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本
- 感想投稿日 : 2013年1月3日
- 読了日 : 2013年1月3日
- 本棚登録日 : 2013年1月3日
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