表題作、無邪気な蟹がどんどん怪物化してゆく不気味さがとてもよい。イノセントさが他者にとっての脅威になってゆくというのが、すごく皮肉で好き。そしてラスト、ずっと不気味だった蟹のイノセンスが涙を誘う。別に悪意があったわけではなくて、心のままに無邪気に生きたというだけだった。そしてそれが心底邪悪な行動だったんだよなー。
食べることと殺すことって美談みたいになりやすいけど、すごくグロテスクに書いていて、うまいなーと。
表題作でないほうの百合の花の話は今ひとつよくわからない。確かに百合ってグロいなーと思うことはあるけど、そこだけで話を膨らませるのはさすがに無理でないか?
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- 感想投稿日 : 2017年11月26日
- 読了日 : 2017年11月26日
- 本棚登録日 : 2017年11月26日
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