単行本が出たころに、新聞で書評を読んで、あのころは綿矢りさが芥川賞で騒がれていて間もなくて、『蹴りたい背中』は中学生ながらに不思議な気持ちを持って、これ読みたい読みたいと思いながらもずっと読めず、いつの間にか文庫も出て、ついに図書館で単行本を借りて読んだのですけど、もう10年近く経っている。
時がずいぶん過ぎてしまったんだなぁ、というのがいちばんの感想で、この本の旬は確かにもう少し前だったのかもしれない。
核家族という名前の宇宙船の息苦しさや、密接な人間関係のときの鋭い目線が、女独特のきつくにおう身体、が、面白いのだと思う。
漫画の「溺れるナイフ」を思い出した。あっちはハッピーエンドだけど、少女くささ女くささとか、不良少年が好きと思うあたり、「ヘルタースケルター」よりも近いのかなと。
そういえばこれもナイフも小松菜奈だ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年5月1日
- 読了日 : 2016年5月1日
- 本棚登録日 : 2016年5月1日
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