外国紹介ものでおなじみ、現地人の夫を持つ女性によるフィンランドの実情本。こういうものを読むにつけ、生まれた国でぬぼーーーっっっと口を半開きにしていれば万事うまくいく(めんどくさいことは全部女性に押しつける)男性と、生きるためには何でもやり、どこにでも飛び込む(飛び込まなければならない)女性との格差を感じる。
閑話休題。そんなわけでフィンランド人と結婚(ただ著者2人とも、夫とは外国で出会ったようで、母国でぬくぬくしているだけのボクチンでないのは救いか)・出産した日本女性による生の体験記である。貴重な証言ではあるが、生すぎて散漫なきらいは拭えない。2人で交互に執筆する態勢なのも拍車をかけて、もうちょっと何とかならんかったのかとは正直思う。けっして礼讃一方でないのはすばらしいとは思うが、それもあって「だから何?」という印象もなきにしもあらず。とりあえず、「全員英語ペラペラで、タダで教育と医療が受けられ、女性だけに子育てが押しつけられることのない夢の国」という妄想が破られる点では意義はあると思う。
2016/4/30〜5/1読了
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2016年5月2日
- 読了日 : 2016年5月1日
- 本棚登録日 : 2016年5月2日
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