激安食品の落とし穴

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版 (2015年10月24日発売)
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本棚登録 : 129
感想 : 20

食品のトレーサビリティに対するヨーロッパと日本との意識の違いにハッとさせられた。

納豆に関しては、某大手の採算度外視な価格設定に太刀打ちできず泣かされる中小経営者の「いいものを作っても売れない」という嘆きを耳にしたことがあったので、問題の深刻さを改めて感じた。(私自身は納豆苦手でゴメンナサイ(>_<))

いわゆる激安スーパーには行ったことがないけれど、たまに『なぜこんな値段で売れるのか?』と疑問に思うことはある。青果であれば、よからぬ輩が畑から盗んだものでは?とか、最近なら汚染の危険性が高いものかも…とか。理由の定かでない激安食品には警戒心が働く。
ダイコーの廃棄カツ横流し問題発覚の後、それでも「激安弁当をなくさないで」という声が何件も寄せられたという報道に接し、信じがたい思いがしたけれど…… 安全性を犠牲にし、生産者やメーカーを泣かせることも厭わないほど生活に余裕のない人が増えていることの表れだとしたら、エシカルな購買活動の実現など遠い夢になってしまう。

と、嘆いてばかりでは進展がない。
まっとうな仕事でおいしく安全な食品を世に送り出してくれている業者さんを応援すること。そして、本書のような話題を出して世間に問題意識を広めること。できることをできる範囲でがんばろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年6月9日
読了日 : 2016年5月28日
本棚登録日 : 2016年5月28日

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