100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2011年5月28日発売)
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感想 : 89

【ひとことポイント】
いくたの天才を退け続けた難問があった。

最初にあえて尋ねますが、数学嫌いですか?
かくいう推薦者も高校数学・受験数学に苦手意識を持っている一人。
じゃあなんで本書を手に取ったのかというと、ずばり直観です。
アンリ・ポアンカレによって提起され、100年のあいだ誰にも解けなかったポアンカレ予想とは、数学の分野では「トポロジー」に分類されます。
この分野は、私たちが習ってきた微積分やら代数などの古典数学とは異なり、直観的な理解を可能とする新しい数学なのです。
トポロジーは大雑把でいいのです。方程式もいりません。
本書もそんなトポロジーと同じです。もちろん、難しいことを分かりやすく伝えようと書かれていますが、面倒なところは飛ばしましょう。頭を柔らかくして読みましょう。
その上で、天才数学者たちの人間ドラマを堪能してください。このポアンカレ予想を解決したペルリマンという数学者は、直後、表舞台から一切の消息を絶つことになります。それは何故なのか、ペルリマンの真意はなんなのか。ぜひあなた自身で確かめてみてください。
人間を理解すること、こればかりは面倒臭がってはいけません。

<健康栄養学部 K・K>

企画コーナー「成長する本棚」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。
展示期間中の貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2013/6/6~】

湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1601251

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 企画展示2013-成長する本棚
感想投稿日 : 2013年6月6日
本棚登録日 : 2013年6月6日

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