p60 三島曰く『歴史の欠点は、起こったことは書いてあるが、起こらなかったことは書いてないことである。』わたしは、起こったかも知れないことを書いてないことである、としたい。
行間を読むというのはそういう楽しみ方だし、本書でいうならば結局のところ太宰が何を以って執筆したのかなど、どれだけか丹念に資料を当ったところで結局は推論に過ぎない。けれどだからこそ読み継がれるものがたりには読まれた数だけの数多の行間が在る筈だ。つまり本書は北村薫さんの行間を読むものがたりなのだろう。
まさしく、読まれてこそのものがたり。
読書状況:読み終わった
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作者さんラブ
- 感想投稿日 : 2016年4月24日
- 読了日 : 2016年4月23日
- 本棚登録日 : 2016年4月22日
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