村上朝日堂夢のサーフシティー CD-ROM版

著者 :
  • 朝日新聞出版 (1998年6月1日発売)
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本棚登録 : 274
感想 : 16

冒頭のエッセイが「世界最高のトートバッグ」と、かなりゆるいのですが、全編を通じてゆるゆるなのんびりした本になっています。
安西氏のイラストを見ているだけで、力が抜ける感じ。
ホームページを書籍化したもののようで、読者からのQ&Aコーナーも紹介されています。

本当に本人の好きなことを思いつくままに書き連ねてあるようで、マラソンの話が一番多く出てきています。
こういう緩急あってこそ、ハードな大作に取り掛かれるのでしょう。
気楽にすんなり読めました。

『アンダーグラウンド』のインタビューを主に行ったというフロラシオン青山のビアホールでは音楽がかかっていないということが、強く印象に刻まれました。
「なんか海の底に座って、あんこうと差し向かいでビールを飲んでいるみたいで、その景気悪さがとってもクール宅急便です」
なんて書かれたら、お店もありがたいやら複雑やら、の気分でしょう。

「村上朝日堂」がサイトの名前なのはわかりますが、「夢のサーフシティー」がなんなのか、結局わかりませんでした。
・・・読み落としたのかしら?

CD-ROMがついており、村上氏の挨拶をクリックしてみたら、「村上春樹です。こんにちは」とだけ流れました。
そのスーパーシンプルさが彼らしいなと思いました。
初めて声を聞きましたが、思ったよりも闊達な声だったのが意外。
もっとボソボソとつまらなそうにしゃべる人かと思っていました。(勝手なイメージ)

五月雨式に綴られた近況は、けっこう面白かったです。
書籍媒体を通しては決して見たことのない普通の表現を普通に使う人なんだなと思いました。
たとえば「ガキ」とか「ひでえ」とか「あいつら」とか、けっこう乱暴な言葉。
普通に使う人なんですねえ。それが新鮮な発見でした。
かなり量がありますが、内容は軽いものなので、つらつらと読んでいけました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ・対談
感想投稿日 : 2011年6月27日
読了日 : 2011年6月27日
本棚登録日 : 2011年6月27日

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