あまりにも単純なタイトルが目に留まって、手に取った本。
(キミとボクといったら、間違いなく恋愛ものだろうな)と思いましたが、外れでした。
3歳の猫の視点で語られる物語。ネコのセリフらしく、漢字がカタカナになっています。
ギンオウゴウという名だと聞いて、(タイコウボウ?)とピンときませんでしたが、漢字にしたら「銀王号」だったので納得しました。
人みたいな顔をしたネコなので、寂しげな表情などが、かなりぐっと胸にせまります。
写真を元に町並みをイラスト化しているものもあり、『NANA』の手法だと思いました。
10年後の彼らの別れまでが描かれており、淡々とした、温かく切ないそのエンディングに、涙がこらえきれませんでした。
うるうるしていると、マンガのあとに『その後のキミとボク』という文章が掲載されていました。
もともと15分のアニメが元だったとのこと。これは見てみたいです。
ただ、実際の話が長々と文章で語られるのに、なんだか感動した涙が乾いてしまいました。
実際には青年とネコだけの暮らしではなく、彼らの家には青年の妻もおり、ネコももう一匹いたという事実などは、読者の余韻には必要ない(むしろ余分な)情報です。
あまりにも長々と、読者そっちのけで語りに入っているので、多分に食傷気味になりました。
それだけ作者にとっては思い入れのある作品なのかもしれませんが、コミックだけの方が作品のクオリティを保てたように思いました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
comic
- 感想投稿日 : 2010年12月21日
- 読了日 : 2010年12月19日
- 本棚登録日 : 2010年12月20日
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