・表紙画は諏訪敦。出典は画集とのことで本作のために描かれた画ではないが、雰囲気によく合っている。本を作った人がさぞや惚れ込んで選んだのだろうと推察。
・女性が産んだ子に愛情を持つことは自然と考えられている、が、実のところそうなる保証はどこにもない。前提とされる「自然な愛情」なるものが不在の場合、我が子との関係がどんなにグロテスクになりうるか。
・親が子に感じる恐怖は[ http://booklog.jp/item/1/4480429298 ]にも通じるが、こちらはオカルト的要素がない分より根源的な恐怖。愛していた生き方(仕事含む)を育児のために諦めた女性にとって、この暗い感情は大なり小なりリアルなものではないかと思う。
・[ http://booklog.jp/item/1/4167656094 ]を読んだ印象と通じるものがある。ということは、本作が小説としてリアルでよくできているということなのだろう。
・夫との関係のひとつの要素として、アメリカ的価値観への距離感や「アルメニア系」「イングランド系」という出自の違いが投射されているのがいかにもアメリカらしい。
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- 感想投稿日 : 2017年7月16日
- 読了日 : 2017年7月16日
- 本棚登録日 : 2017年7月16日
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