マッキンゼー戦略の進化: 不確実性時代を勝ち残る

著者 :
制作 : 名和高司  近藤正晃ジェームス 
  • ダイヤモンド社 (2003年3月1日発売)
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感想 : 6
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 まだ自分には難しかったかな。マッキンゼーの論文集。

 タイトルにあるように不確実性時代を勝ち残るためにはどうすべきかが書かれている。とはいってもハウツー本ではない。というか、不確実性時代に、こうすれば必ず上手く行きますなんてのは、ウソなんだと思う。世界最強のマッキンゼーで、トップに上り詰めた方々が言うことは、とても基本的なことだ。

 問題を設定し、良く分析し、リスクや時間軸にあわせて戦略を立て、それを確実に実行する。1つの勝ちパターンで勝ち続けることはできない、大きく成長するには、小さなステップをこつこつと積み上げる。本当に基本的なこと。でもそれが本当に難しいことなんだと思う。

 数ある論文の中で、一番響いたのは大前研一氏の論文「戦略再考」。コーヒーメーカーの事案が秀逸だった。顧客が真に求めるものは、他社製品より短時間で作れるとか、大量に作れるとかではなく、まず「美味さ」なのだと。他社を模倣して、それを出し抜くことを考えるのは、すごく取り組みやすいのだけど、それは間違っている。それでは真の勝利は収められない。基本的なことなんだけど、自分に欠けていた視点だった。

 経済や経営、ITの知識は当然のことながら、化学者や生物学者などの言葉や思考を交えながら、語るあたりに、教養の高さを感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営
感想投稿日 : 2009年3月26日
読了日 : 2009年3月26日
本棚登録日 : 2009年3月26日

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