宇宙一愛される経営

  • 総合法令出版 (2007年9月25日発売)
3.57
  • (13)
  • (18)
  • (23)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 132
感想 : 16
3

 PDFで公開されていたので読んだ。この会社の経営理念が綴られている。社長が、試行錯誤を重ねて、この理念を作り上げてきたのが分かる。実際、美しい理念だと思った。この理念通りに経営されているならば、とても仲の良い組織ではあるだろう。<br>

 社長の増永氏、文章を読んでいて、とても良い人なのだということが伝わってくる。誠実で聡明な人であると想像する。<br>

 組織が大きくなってもこの文化を維持できるか、今後に期待。是非理想郷を作り上げて欲しい。<br>

 一点だけ、採用に関してだけ少し違和感を感じてしまった。新卒しか採らないことにしたという点。僕も就職に関しては、親と相当にぶつかった人間なので、大企業を蹴って(親の反対を押し切って)LRを選んだ新卒の学生の勇気と決断は本当にすばらしいと思う。また、企業文化が独特すぎて、中途入社が馴染むまで時間がかかる、悪い意味で前職の経験に頼りすぎるなどの弊害も分かる。勇気を持ってLRを選んだ新卒と、大企業からの転職者との扱いを同列にしていいものか悩む。その気持ちは良く分かる。納得できる。<br>

 でも、それでも、だとしても、やはり中途を入れて欲しいと思う。理由は2つ。
1つめは、いくら特有の企業文化とはいえ、純粋培養の人間だけで良いのか?僕は、異質のぶつかり合いから生まれてくるものにこそ価値があると思う。例えば、僕の研究室に、他所から先生が来た時。お互い専門分野が違うから、興味や知識が違ったり、かみ合わないこともある。でも、だからこそ気づいたりすることもある。違う分野の人はこういうところに着目するのか、こんなやり方があるのか、と。外の世界を知っている人間だからこそ、LRの良さや、特殊性を客観的に評価できるのでは、とも思う。もちろんそれを理解した上で、デメリットの方が大きいと判断しているのでしょうが。

2つめは、人生長いから、興味や価値観ってのは変わって当然だと思う。文化に合わない会社を選んでしまう、あるいは合わなくなる、合わないけどそこを選ばなければいけなかったそういう人だっている。そんなとき、良いなぁと思う会社が新卒主義だったらちょっと困る。そんでもって、世の中が新卒主義の会社ばかりだと雇用の流動化が起こらない。そうすると、、向き不向きにかかわらず、人材はそこに固定されてしまう。人体に例えるならば、血液が循環していないというか。別にそういう会社もあっていいとは思うんだけど、宇宙一愛される会社は、そのメンバー以外にも優しい会社だといいなぁという願望。経営者の気苦労を知らない、雇われる側の勝手な言い分なのは承知の上で。
生意気言ってごめんなさい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営
感想投稿日 : 2009年2月14日
読了日 : 2009年2月14日
本棚登録日 : 2009年2月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする