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「先生、定職が…定職が欲しいです。」
レビュー by ll006018さん
これは面白い。
日本に居るとなかなか縁の無いイスラム教/ムスリムの人々の風習について、
極めて平易で噛み砕いた感じで説明をしてくれる一冊。
より正確に言うなら、イスラム教の聖典であるコーランについての解説ということになる。
時代背景からして、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教にはそれぞれ共有している点があり(というかユダヤ教がベース言うべきなのだろう)、登場人物や天使の類は意外と同じだったりするという(名前の読みはアラビア風になっているようだけど)。ユダヤ教、キリスト教と関係が深く、かつ後発となるイスラム教は、いかにして自分たちの神様(アラー)の正当さを主張するかということに随分骨を折ったらしい。実際のところ、始祖マホメットの仕事は宗教家としての布教活動だけではなく、共同体の指揮官として戦争に当たる、なんてことも含まれているので、地続きの世界のなかで自らの地位を確立してきたプロセスがよく伝わってくる。
あと、コーランはあんまり時間軸上のストーリー性を持たず、項目ごとに並べているという感じの書物だそうだ。これも意外な感じ。解釈が大変そうだな…と察せられるが、やはり宗教は解釈学と切っても切れない縁があるのだろう。
終章(第10話)には著者が2002年に実際にサウジアラビアを訪問したときの簡単な紀行文も付いているので、現代的な空気もちょっと感じられたりする。
今後、人生のどこかでイスラム圏の人と会うこともあるでしょうから、今のうちに一読しておくのが良いのでは。良書です。
レビュー登録日 : 2011年07月27日
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