夢見がちで臆病な小説家の前に現れた理想の女の子、ルビー。でも、もし彼女が本当に自分の理想を具現化したものだったら?
「ピグマリオン」や「源氏物語」のように、自分の好みどおりに女の子を育て上げるというファンタジーが男たちは大好きなようだけど、考えてみればその欲望はとてもコワイ。もしも相手がそうと自覚することもできないままに自分の欲望を先取りして行動するとしたら、それは、奴隷化よりも悪質な形で相手の人格を損なうことになるのではないか。そしてその時、そうさせる側の人格には何が起きるのだろう。
カラフルでポップで愛らしい映画に見えるけど、二人の関係が悪夢に転換する瞬間はゾッとするほど恐ろしい。女性に対する男性の支配欲をファンタジー化する類の映画だったら、ほんとに気持ち悪くて見ていられなかったところだけど、他者の行動や欲望さえもコントロールすることを欲望してしまう弱さに焦点をあてているためにドロドロした感じがなくてよかった。
しかしほんとに女への支配欲全開の映画をつくってる男たちは少しはこれ見て考えろよと思うけどねー。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
外国映画
- 感想投稿日 : 2014年12月22日
- 読了日 : 2014年11月28日
- 本棚登録日 : 2014年12月22日
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