水を恐れ堤防を築いて閉じこもる「陸地の人たち」をしり目に、政府から忘れられたバスタブ島の人々は自然を恐れず、毎日をお祭りのように過ごしている。しかしやがて大洪水がおとずれ…
ハリケーン・カトリーナに見舞われた人びとの経験を想起せずにはいられない、ピリリとスパイスの効いたファンタジーだ。壊れかけている世界のなかで生き抜く力を身につけなさい、自分よりも弱い誰かを守ってあげられるように。そう言われて育った6歳の少女ハッシュパピーは、父を失っても頭を高く上げて生き抜いていく。優しく抱きしめてくれる母親の甘やかな幻想からも、自ら身をひきはがして。このシーンで暗示される少女たちと母性の関係は実に興味深い。
全身で怒り叫ぶ小さくて力強い少女の姿が忘れがたい佳作。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
外国映画
- 感想投稿日 : 2014年1月7日
- 読了日 : 2013年4月30日
- 本棚登録日 : 2014年1月7日
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