ベニチオ・デル・トロとマチュー・アマルリック、大好きな2人の俳優ががっぷり四つに組むなんて楽しみ、と思ったのですが。
1947年に初めて「インディアン」を症例に報告できた人類学者/精神分析医はそりゃ興奮したでしょうけど、2015年にそのまま見せられてもね。しかもものすごい典型的なフロイト主義の夢解釈ですが、文化的要素についてどういう分析したんだろう。「僕は偏見なんか持ってないよ!」と言う人に限って・・・だもんな。
結局、この映画が、異なる文化的民族的・階層的背景をもつこの2人の関係をどういうふうに描きたかったのかがほんとにわからない。2人の間に友情や信頼は存在したのかもしれないけど、けっきょくのところ今日残っているのは、医師として「事例」を報告する権力をもっていた一方の主観にもとづく記録でしかないのだから、映画がどういう新しい解釈をもたらすのかこそが重要なのに。
まるでポストモダニスムなんか存在したことなかったような映画だったな。
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カテゴリ:
外国映画
- 感想投稿日 : 2015年3月15日
- 読了日 : 2015年2月3日
- 本棚登録日 : 2015年3月15日
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