まさに井上章一節というか、意識的・無意識的になんかおかしいと思っていたことについて絶妙に意地悪な視点から切り込んでいく。洛中から見た著者出身地の嵯峨がいかなるものか。そしてその視線に反発しつつも、その嵯峨よりさらに遠方にある亀岡にたいする自分の認めたくない感情にも気づいている。このアンビバレントがすばらしい。いろいろめぐって最終章、明治維新までたどりつく射程距離もすばらしい。内容もすばらしいが、文章がまた洒脱。ほんとうに頭のいい人だなぁと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2017年10月29日
- 読了日 : 2017年10月29日
- 本棚登録日 : 2017年10月29日
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