OZの迷宮 (カッパ・ノベルス)

著者 :
  • 光文社 (2003年6月20日発売)
3.43
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本棚登録 : 116
感想 : 17
4

いかにもパズラーというガチガチの本格ミステリの連作短編集です。
不可解な状況の密室内で矢で殺されていた被害者、アトリエの中で自分が描いた絵の川で溺れたとしか思えない状態で発見された画家や犯人が密室を作る場面を図入りで解説して、そこから話が始まる作品やさらには上半身が人間で下半身が馬のケンタウロスの状態で発掘された白骨死体等のありえない、不可解な状況の事件ばかりです。
ですが、そんな謎も名探偵により解かれていきます。
普通に読み進めていたら、ある箇所で衝撃がありました。
途中で探偵役が交代してしまうのです。
それも余りにもとんでもない理由でです。
私はミステリを読んでいる時は探偵役に1番好感を持って読み進めていくのでこれには驚きました。
と同時に少し悲しくもなりました。
もうそれ以降は油断も隙もありはしないです。
交代した探偵役もまた変わります。
しかも、今度の理由は前の理由より衝撃的です。
ネタバレになってしまいますが、探偵が殺されてしまうのです。
合計3人の名探偵が登場する事になるのです。
最後の探偵には最後の最後でかなり驚かされる事実が明かされます。
これには1度沈んだ私の気持ちも浮上しました。
こんな趣向は初めて見ました。
私が神と崇めている島田先生の豪腕さを受け継いでいるかのように感じました。
さすが、島田先生の一ファンでもある作家です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2009年12月16日
読了日 : 2009年12月17日
本棚登録日 : 2009年12月17日

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