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中学校司書の読書記録
レビュー by lovepopoさん
9世紀に実在した可能性のあるキリスト教史上唯一の女性教皇となったヨハンナを主人公とする歴史小説。歴史家達はヨハンナを伝説上の人物とみなしており歴史上からその存在は抹消されています。
そんな謎に包まれたヨハンナは女性が男性より劣り、女性が知識を得ることが許されない中世ヨーロッパに生まれます。彼女のあくなき探究心と運命のいたずらによって教皇という多大なる権力を持つ地位までのぼりつめる物語です。そんな地位までのぼりつめるヨハンナですがその地位は彼女が望んで手にしたものではなく、運命のいたずらによって得られた地位。
女性の地位が低かった暗黒の時代、自身の心の声に従って自分の生きる道を選択し、恋をし、男性として生き成長していくヨハンナの姿は現代社会における男女差別に苦しむ女性の姿とは違い、男装しているからこそ出来ることも多いものの、学ぶべき点が多くあるように感じました。何よりも、権力やお金に対する欲望ではなく、自分の考えを持ち、それに基づいて行動することで教皇という地位にのぼりつめる彼女の生き様にすがすがしさを感じます。
社会通念に縛られることなく、その人それぞれの持って生まれた才能を開花させて行くことの大切さを感じることができる作品です。
塩野七生さんの作品が好きな方には楽しんでいただける作品です。
大人向け歴史小説なので、中学生に薦める場合はその生徒の根気と興味に配慮が必要かと思います。キリスト教と思想・哲学に興味がある子向けかもしれません。
レビュー登録日 : 2011年02月01日
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