さちこの趣味»
わりと何でも読みます。 小説、エッセイ、東洋医学系を好みます。
レビュー by さちこさん
超久しぶりに読んだ、よしもとばなな。
過去に何かあった「中島くん」と、
母を亡くした壁画描きの「ちひろ」。
二人はお互いの部屋の窓を眺めあううちに、親しくなり一緒に暮らすことになる。
同じ部屋で過ごすうち、中島くんの「過去になにかあったこと」も明らかになります。
この明らかになる過程で、ちひろさんがきちんと中島君に向き合っている姿勢に多大なる愛を感じます。(いいな、私利私欲のないこの感じ)
ラストは、「中島君、やっぱ無理やったか…」とふと思ってしまいました。でも、それでも二人を見てると案外ハッピーエンドなのかもしれない。
そんな温かい小説。
久しぶりに読んだので、なかなか新鮮でした。
確信的なことはストレートに言葉で言わず、いくつもの言葉をかけあわせた上で表現する。
その表現の仕方の、なんと柔らかいこと…!!
それでいて、胸にささることばっか言われてしまいます。
もう、この人は最強だわ。。
レビュー登録日 : 2011年09月14日
引用
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ねぇ、ちひろちゃん。ひとつ間違ってしまうと、私みたいに、一生いらいらして暮らすことになっちゃうんだよ?いつも怒ったりどなったりしているっていうのは、結局人を頼りにしているっていうことなのよ。
― 15ページ -
人の大変な話を聞くということは、もう、お金をもらったのといっしょで、絶対にそのままではすまされないよ。聞いたという責任が発生してしまうの。
― 42ページ -
自分の経験していないことにはいくらでも無神経になれる。
― 44ページ -
幼い頃は、ママの顔をふりかえって、自分のいるところを確認したけれど、今は自分の姿は自分で確認するしかない。
― 68ページ -
大人になる気はなくても、こうして人は押し流されて選んでいるうちに大人になるようになっている。選ぶことが大切なのだと思った。
― 161ページ -
人間には必ず言葉だけではなく、肉体の距離がある。目を見て、匂いをかいで、紅茶を飲んで、確認していく瞬間の蓄積がある。それから縁というものもある。
― 177ページ -
均質っていうのは、自分をなくしているからなれる状態なんだ。
― 213ページ






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