([お]8-1)おとぎ話の忘れ物 (ポプラ文庫 お 8-1)

著者 :
  • ポプラ社 (2012年4月5日発売)
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本棚登録 : 586
感想 : 55
5

小川洋子さんの文章と樋上公実子さんの絵で綴られた、半分小説で半分絵本のような不思議な風合いの本。
赤ずきん、アリス、人魚姫…実際にある物語がモチーフになっていて、でも元の物語とはまったく違う小川洋子ワールドになっているのがすごい。哀しくて、残酷で、ひんやりとしている。
童話に比べたら現実的なのに、ふわふわしていてこの世の出来事ではないような感じ。それに樋上公実子さんのクールでちょっとエロティックな絵が溶け込んでいる。
どうやら先に絵があって、それを小川さんが見て小説を書いた模様。
プロローグの小品的な物語が巻末の物語と繋がっていて、ほうっとため息をつくように読み終えた。
絵本も小説も好きな私にとっては、超私得な本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2016年2月7日
読了日 : 2016年2月7日
本棚登録日 : 2016年2月7日

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