前作から引き続き、伊良部先生の勇姿を見るべく手に取りました。
今回の患者さんは、業界から引退するのが怖い寂しがり屋な球団オーナーと、ひらがなを忘れてしまったIT業界の元東大生成金、太ることを脅迫的に恐れるカリスマ女優、町長選挙の板ばさみで胃がキリキリと痛む出向い公務員の計四人。
それぞれ個性的で、強気だったり弱気だったり色とりどり。
解決の方法は相変わらず様々。
伊良部先生は話をきいて、注射を打つだけ。
この三冊目はとりわけ、人生をやり過ごすうえで大切なことが詰まっていたような気がします。
引き際、自然にまかせること、攻撃ばかりせずに話し合いの意思をもつということ、ルールにしばられない適当さ。
皆が無理してた自分を解き放つ瞬間は、まさにカタルシスって感じ。
町長選挙の話では、島民が争って選挙してこそ政治家も躍起になって公共事業を引っ張ってくる、みたいな台詞があって、政治に関心をもつことの意義を射抜いているなあと感じました。
相変わらずの面白さです。
ただ、伊良部先生の出番は前作より少しだけ少なかったかも!?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2013年1月27日
- 読了日 : 2013年1月27日
- 本棚登録日 : 2013年1月25日
みんなの感想をみる