屠場で働く様々な立場の人へのインタビューを通してその実態に迫った1冊。
「家畜を育てる」と「肉を食べる」の間にあって欠かすことが出来ない「屠畜」という仕事。その中身はまさに職人の世界である事が種々のインタビューからダイレクトの伝わってきます。
反面、インタビューにあまり依存した構成になっているために客観的なデータや資料の提示は非常におざなり。科学的根拠の提示のない話も多く、説得力に欠ける話がごろごろしています。屠場が周辺環境に与える影響について触れる項でも、屠場側からの意見はたくさん載っていますが、周辺住人からのインタビュー等はなく、一方的な印象を受けました。また、屠場のマイナスイメージを払拭する事には大変熱心ですが、その負の歴史や問題点、現在も続く差別問題等にはほとんど触れる事が無く、アンバランス感が残る点も気になりました。
経営の問題についてはかなり深く切り込んでいて興味深い内容でした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
社会
- 感想投稿日 : 2012年9月24日
- 読了日 : 2012年9月24日
- 本棚登録日 : 2012年9月24日
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