自分が理想とする治世を行うため、なんとかしてトトメス2世に対抗しようとするシェプスト。しかし、ファラオという神の権力を持つ存在には、彼女個人では抗えきれずに、兄王の軍門に下ることに。屈辱の性交。
結果、皮肉なことに母となったことで、守るべき存在のためには手段を選ばないという非情な覚悟を持つにいたります。
病に侵されたトトメス2世を暗殺し、即位したトトメス3世の摂政として、統治者としての地位を得たシェプスト。彼女が今後、自分の理想を現実にするためにどんな困難を克服していくのか。
神官たち既存権力。ソティスのような女の派閥争い。兄殺しと王殺しの罪の意識。他国との外交。外に内に立ちはだかるであろう諸問題。
非情であることが、孤独を生み出してしまうのが予想できます。タビアの存在がどれだけ救ってくれるのか。
思っていたより、摂政になる展開が早くて驚きました。暴虐な兄王の病は、仕組まれたものでなかったのかなと思っています。病状のトトメス2世に対するスネルセトの態度とかで。それでも、その事態を利用したのはシェプストで兄殺し王殺しは事実ですが。
どこまで理想を追求できるのか。シェプストに真の試練が訪れるのはこれからです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2017年11月19日
- 読了日 : 2017年11月19日
- 本棚登録日 : 2017年5月23日
みんなの感想をみる