戦中戦後の脱獄物語です。脱獄というと、アメリカ映画のノリと勢いのイメージが強いけれど、この話は淡々と人の動きに加えて時代背景や刑務所の様子、社会情勢も語られるので、読みやすいし、テンションが高くなくてよかった。囚人たちの方がしっかりご飯を食べられていたために、看守よりも体格がよかったり、そもそも待遇が良くなくて看守が集まらなかったりしたところとか、戦後の混乱で罪もなく殺された人がたくさんいて、元囚人が天寿をまっとうするところとか、いろいろ考えてしまう話でした。よかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年7月16日
- 読了日 : 2016年7月16日
- 本棚登録日 : 2016年7月22日
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