父 パードレ・パドローネ [DVD]

監督 : パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ 
出演 : オメロ・アントヌッティ  サヴェリオ・マルコーニ  ファブリツィオ・フォルテ  ナンニ・モレッティ 
  • 紀伊國屋書店
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感想 : 4
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軍隊時代(おそらく工科兵か通信兵の修練で)、教官が、主人公の作ったラジオが正常に動作するか試験するためにスイッチをオンにすると、静寂ののちクラシックが流れる。それをこのラジオという基盤と真空管から出来た構造物を、より詳細に観察するために上からのぞきこむかのようなトラックアップ。そして、友人に振り向く主人公。友人「(口を開けて、よかった!という風に声にならない声で)ハー」、主人公「(返して)ハー」。そして仲良く廊下を歩く二人の後ろ姿。ここが個人的に最高にユーモアと情感が溢れるシーンだ。父親よりも血のつながらない友人の方が良くしてくれた。そう父に告げる主人公も、最後は、父の膝に頭を下げて、まるで許しを請うのだ。父は、頭を撫でるかと思ったら、握り拳を振り上げる。おそらく、その拳は、振り下ろされなかったのだろう。主人公は、故郷にいて、本を書いた。32歳で大学を卒業したらしい。そして最初のシーンに戻る。そこで教室からつれだれた主人公(および漏らしたションベンの水たまり)を笑う友人たちに、父は戻ってきていうシーン。あそこがとてもこの映画を懐かしい気持ちにさせる。「ガヴィーノを笑うな! お前達もいつかそうなるんだ」的なセリフ。このシーン、最後は、そのセリフのあとそのまま左にパンするけど、最初は、父親が出て行った後に、ようやく机に手を置いた(置かされた)子供たちにカッティングする。そこからさらにポン引きすると、先生も机に手を置いていて笑えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年12月21日
読了日 : 2013年12月21日
本棚登録日 : 2013年12月21日

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