雪のひとひら (新潮文庫)

  • 新潮社 (2008年11月27日発売)
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雪の降る夜が待ち遠しくなる物語。
まるで詩や絵本を眺めているような豊かな情景が広がる。

主人公「雪のひとひら」に投影されたのは女性の一生。

なぜうまれてきたの?私をうみだしたのは誰?疑問に思いながら、彼女は仲間たちと一緒に空から舞い降りる。試練を乗り越え、最愛の伴侶を得、家族と共に長い旅に出ます。穏やかな湖の生活、淀んだ排水溝を行き、炎と戦い、そして最愛のひととの別れ。孤独。
そして最後に想うのも、自分の存在の意味。

普遍的に存在する「自分の存在の意味」の問いかけ。具体的な解決策ではないけれど、はっと気づかされる言葉がたくさんありました。

幼いころ、手袋にくっついた小さな雪の結晶に見入っていた自分を思い出す。あの頃買ってもらった、雪の結晶の写真集は、今どこにあるだろう…同じものは一つとして存在しない雪の結晶。わたしという存在も唯一無二なんだよね。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2010年11月29日
読了日 : 2010年11月28日
本棚登録日 : 2010年11月25日

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