空白の桶狭間 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2011年9月28日発売)
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本棚登録 : 254
感想 : 34
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歴史の謎に挑む作品を、意欲的に発表している歴史作家、加藤廣。
この作品はタイトル通り、織田信長が奇襲で今川義元を討ち取った「桶狭間の戦い」が題材になっています。
圧倒的な兵力の差がありながらなぜ、信長は勝利を得ることが出来たのか。
加藤廣らしい独自の視点で、この歴史の謎を描いています。
ポイントは、「秀吉の出自」。
この作家さんの作品の中での信長と秀吉の描き方には、各種意見があると思いますが、本作品でも秀吉の構想力と機転が遺憾なく発揮されています。
大胆な仮説なのでとまどう部分はありましたが、興味深く読むことが出来ました。
同時期に読んだ『謎手本忠臣蔵』にも登場する「黒鍬組」など、他作品とリンクする内容があるのも魅力です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年5月12日
読了日 : 2012年5月12日
本棚登録日 : 2012年5月12日

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