anego

著者 :
  • 小学館 (2003年10月1日発売)
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本棚登録 : 762
感想 : 150

これはどこの世界の話なのか、と思うほど、あらゆる意味でわたしとかけ離れた世界観。世の中のマジョリティはこういうことを考えて生きているのか。マジョリティ感にかなり圧倒されながら読みました。直木賞作家、林真理子はやっぱり卓越した観察力と、目の前の現実への分析力と描写力を持っていて、エンタメに落とし込むことができている。ひとの共感を誘う、野次馬根性を誘う、物語、大衆小説。おもしろい、おもしろいのだけど、ここで問題とされること、示唆されていることのどれにもコミットできないわたしがいる。わたしの抱えている問題や、世界に対する認識、そういうものが一切理解されない、価値を持たない場所なんだろうなあ。素敵なお店を知ってること、ブランド品で自分を飾ること、スタイルを保つために努力すること、人からどう見られるか、どうふるまえる自分でありたいか…それって社会の中での自分の立ち位置や、自分のありたい姿を追い求めることで、それはわたしもそれなりに考えていることで、至極近しいようで、ここまで異なるのはなぜか。どうしようもなくわかりあえないだろうと思うのはなぜか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年6月4日
読了日 : 2013年6月4日
本棚登録日 : 2013年6月3日

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