人麻呂の暗号

著者 :
  • 新潮社 (1989年1月1日発売)
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本棚登録 : 67
感想 : 9
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質の悪い神々の指紋というところでしょうか。
万葉集の歌の中で柿本人麻呂の歌だけに、特殊な暗号が含まれていましたという本です。
韓国語、中国語で読むとそれがわかると言う話までは理解もするんですが、その展開のさせ方がひどい。音が同じ文字や言葉を探して、自分たちがこう読めるという意味を探して、無理やり組み立てたという印象です。もうちょっと、それっぽく探してきて欲しいところです。
現状、朝鮮語の音を表記する方法がハングルしか無いでしょうから、ハングルで表記するのもわからないでも無いんですが、ハングルが成立した時期って柿本人麻呂生きてましたかね?と思ったりも。
柿本人麻呂の歌については全部を解説してるわけではなく、都合のいいところだけ抜き出して居るような感じでした。全部の歌を載せて解読なんてやると、ページ数いくらあっても足りないとは思いますけどね。
神々の指紋系ってもうちょっと系統立てたり、ちゃんと引用するものだとは思うんですが、最後に山部宿禰赤人以外の歌は、抜き出しの引用のみでしかなく、ここにもこうあるよと記載があっても二文字だけ引っ張られても何のことやらになってしまいます。
あと、よくわからないんですが、文章の作り方なのか、表現なのか、読んでてスラスラ読めず妙にイライラする感じでした。
とりあえず一番気に食わなかったのが、先生をアガサ・クリスティーに例えて、アガサと読んでいるところ。だいぶ、アガサ・クリスティーに失礼なんじゃないかと思います。
解読できていないモノなのに、さも解読できているかのようにヒントを与えて、さあやってみろとかアガサ・クリスティーがやりますかね?本文にも信じて痛い目にあったようなこと書いてありましたしね。
神々の指紋系書籍としては、ひどいものでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 雑学・読み物
感想投稿日 : 2016年9月30日
読了日 : 2016年9月30日
本棚登録日 : 2016年9月30日

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