鍵のかかる部屋 (新潮文庫)

著者 :
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3.32
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本棚登録 : 713
感想 : 38
3

三島由紀夫の短編集。
やっぱり三島は長編の方が好きです。
短編集は遅遅として読むのが進まない・・・・。

三島由紀夫の短編集は本当に芸術作品を見ているようで、
パッと見あまりその価値がわからなくて(←鑑賞者がダメなのでw)
じっくり見るとなんとなく解ってきたような気になるんですが
それでいいのかわからず、結局、なんだったのかわからない・・・。
まあ芸術作品も文学作品も見る人によって感じ方が違うのが当然なんですが。
ストーリー的に面白いものもあるんですが(「美神」とか「果実」とか)。
主人公の気持ちが読みにくい。その解りにくさが三島由紀夫の作品かもしれませんが。(逆に最近の小説はわかりやすすぎる?)

しかし驚いたのは、「彩絵硝子」と「祈りの日記」が十代の時に書かれた作品だということ。
十代でこれだけ書ければ、二十代前半で「仮面の告白」でデビューするはずだ。と納得w
やっぱり天才は天才だった・・・・・。十代であんな物語を紡げるなんて。

十代だから「なるほど」と思うものの、文学作品としてちょっと個人的に物足りないというか、面白さが充分に感じられなかったので、星は三つ。
でも三島由紀夫好きには、色んな作風の物語が読めて、なかなかいいかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 三島由紀夫
感想投稿日 : 2011年12月28日
読了日 : 2011年12月28日
本棚登録日 : 2011年12月28日

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