なんという勢い、演技というものの枠を超えた気迫すら感じさせるケイトブランシェットの演じ方に終始圧倒された。
ジャスミン役に彼女を起用できたかできないかによってこの映画の評価は変わってくるのがすぐにわかる。
頭脳もビジュアルのそこそこでしかない妹を見下し、資産家の旦那と裕福な頃は、虚栄心とプライドに支えられながら非常にやさしい姉でいられたが、夫に捨てられ、お金も無くなりながらもまだ高いプライドおいうお荷物は背負ったままで、底辺だと見下し続けた妹の自宅に身を寄せることになる。
「妹はどうせ私はこの程度の人生」といった感じで適当な男を見つけ自分の中でこれでいいんだこれが平凡な幸せなんだと笑顔を作る。
プライドを捨てることと、持ち続けること、どちらも正解がないけれど、この姉妹は男に依存することで自らの幸せに思う道を進んできた。
きっとこれからずっと先もそうだろう。
完全悪ではない、でも決して共感もしがたい、少しプライドの高すぎるジャスミンの悲惨な人生の転落は観ていて気持ちいものではなかったし、後味もよくなかった。
でも、見ていくうちにケイト演じるジャスミンに引き込まれて、ケイト=ジャスミンなんじゃないかと思ってみているとなんだか日曜日の午後にやっているようなドキュメンタリーを見ているような気分にさせられた。
規模は違えどこういう女性周りも見渡せばたくさんいる。
予備軍も・・
ウッディーアレンが皮肉な感じで女性たちに観てほしかったに違いない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ドラマ ヒューマン 映画
- 感想投稿日 : 2014年8月23日
- 読了日 : 2014年6月23日
- 本棚登録日 : 2014年8月23日
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