著者:鄭大均
内容:隣国像の類型。公に出された活字のみが対象で、映画やテレビは扱わない。
【目次】
はじめに [i-viii]
目次 [ix-xi]
題辞 [xii]
第一章 変化するイメージ 001
世論調査の結果 002
時期区分 011
話題書の推移 021
第二章 関心型 033
植民地体験型 034
贖罪型 042
イデオロギー型 048
古代史型 052
異文化型 055
第三章 戦後イメージの原型 059
隣国の存在 060
「悪者」のイメージ 063
「李ライン」への眺め 071
もう一つの眺め 081
第四章 独裁国家の行方 099
「独裁国家」 100
「千里馬の国」 109
幻想から幻滅へ 126
朴正熙への再評価 141
第五章 似て非なる国 151
異質性の発見 152
文化的韓国論の問題 157
類似性の議論 169
第六章 共存するイメージ 181
好感 182
非好感 196
アンビヴァランスの例 211
進歩派とポリティカル・コレクトニス 217
善玉と悪玉のイメージ 226
第七章 時は流れる 231
韓流ブーム 232
敵意や憎悪 241
隣国の発見 251
あとがき(二〇一〇年夏 鄭大均) [256-259]
参考文献 [260-266]
【抜き書き】
・冒頭で引用されている一説(なおライディングの方は巻末の参考文献をざっと見ても出典が分からなかった)というかmaximチックな文を孫引き。
□xii頁
隣り合う二国間で、メキシコとアメリカぐらい異質性の際立った例はおそらく世界にない。(中略)隣り合っていながらも、これだけお互いを理解していない隣人の例もおそらく世界に例がない。二つの国は発展段階の相違によるというよりは、言語や宗教、人種、哲学、歴史によって分け隔てられている。アメリカはわずか二百年ほどの歴史を持ち、二一世紀に邁進する国であるが、メキシコは数千年の歴史を持ち、いまだに過去に引きずられている国である。
(アラン・ライディング)
隣り合った二つの国で、フランスとイギリスほど長い間ほぼ同等の足場に立ち、これほどしばしば戦い、これほど多くの挨拶を交し合い、あるいは社会的知的な交流をおこない、また相対的にこれほどわずかしか相互に貿易をおこなわず、これほど明瞭な主体性を維持しつづけた二国は、世界のほかの場所には見当たらない。(中略)この関係についてもっとも驚くべき特徴のひとつは(中略)相手の国の生活についての広範囲にわたる根強い無知である。(中略)ロンドン駐在の元フランス大使がこう書いている、「これはたびたび言われてきたことだが、私としてはもう一度くり返して言いたい。隣接していながら相手をこれほど知らない二つの国は他にない」。
(リチャード・フェイバー)
- 感想投稿日 : 2017年7月20日
- 読了日 : 2017年4月24日
- 本棚登録日 : 2017年4月24日
みんなの感想をみる