著者:Volker Stanzel(1948-)
装画・本文イラスト:岡村優太
構成:Star Creations(株)
DTP:有限会社 中央制作社
ブックデザイン:albiero
【書誌情報】
書籍分類: 単行本
価格: 1,200円(税別)
ISBN: 9784344027077
判型: 4-6変
Cコード: 0095
発売日: 2015/01/08
カテゴリー: 評論
「苦行みたいな選挙戦、世界一の魚料理、私を“乗り鉄"にした鉄道、魅力的なアイドル…… 知れば知るほど、この国にハマッてしまった! 」
前ドイツ大使による、軽妙洒脱な比較文化論
2009年~2013年に駐日ドイツ大使を務めた著者は、日本に留学したこともある大の日本びいき。在任中のブログ「大使日記」では、日独の違いやこの国の素晴らしさについて自ら日本語で綴って話題となった。本書はそのブログの内容を元に、大幅に加筆修正をして再構成。文化も教育も政治も、日本はなぜ世界中から注目され、尊敬されるのかについて軽妙な筆致で考察した比較文化論。
<http://www.gentosha.co.jp/book/b8438.html>
【目次】
はじめに [003-006]
目次 [007-019]
第1章 日本文化は面白すぎる
大使館にAKB48がやってきた! 022
文化交流は金の無駄?
世界を席巻する日本のソフトパワー
アイドルとドイツ大使のランチ会
日本人に宗教がないというのは誤解 027
外国人には信仰心が見えづらいだけ
二十年に一回の「遷宮」はとても不思議
高齢化社会・日本は世界のお手本 030
ポジティブエイジングを目指すドイツ
ドイツ人より七年長く働く日本人
日本語は繊細で美しい 034
くだけたスピーチは相手への思いやり
外国人の思う、本当にいい日本語とは
ドイツ大使公邸で英語を使うべき?
ヤクザ映画みたいな関西人はいなかった 038
江戸の文化は意外にも雅
東京のがさつ者、京都の本音と建前
日本の冬は足元が寒く、心が温かい 041
静の美を感じる雪景色
冬でも素足の女子高生には驚き
三十年越しの式典出席
欧米人が日本語を話すと喜劇がまる 045
台湾人の妻は困り顔
外国人が日本語を話す事実は“見えない”
第2章 日本とドイツの強い絆
皇太子殿下、二十四年ぶりのご訪独 050
写真を撮りたい!
殿下のお出ましにドイツ人大興奮
過密スケジュールをお許しください
オクトーバーフェストってなあに? 054
ドイツ人ぐらい愛しているのは日本人だけ
実は日本人もドイツ人もパーティー上手
赤坂の酒場で騒ぐドイツ人は私です 057
ドイツ人が熱狂するカードゲーム
女人禁制、男だらけの真剣勝負
公式、非公式の日独外交史 061
外交の礎となった老中と伯爵
最初にやってきたドイツ人は武器職人や医者
日本学の祖・ケンペルとシーボルト
年末の第九はドイツ人兵士から始まった 066
高松市にある「ドイツの館」とは
地元民に愛されたドイツ人兵士たち
ドイツで絶賛された東京の大使館 069
全世界のモデルケース
大使同士で“同期飲み”
ドイツ科学を救った日本人 072
星薬科大学の創立一○○周年
宮古島とドイツの独特な関係 074
ドイツの難破船を助けてくれた
世界のフラット化がもたらしたもの
最先端技術と、変わらぬ伝統
なでしこ世界一 079
ドイツも日本も、どっちもがんばれ!
世界一心が強かったチーム
第3章 日本の政治は不思議だらけ
最初の印象は「被爆国」だった 084
十歳の授業で日本の反核運動を知った
広島・長崎を深く学んだ青年時代
広島の平和記念式典の荘厳さ
敗戦国としての日本とドイツ 088
負けて得たものは大きい
公邸の地下酒場に議員をご招待 090
ビールがすすんでからが本番
垣間見えた熱い志
政治家と官僚の関係は興味深い 093
国会での日独友好関係記念決議
日本は官僚の力がとても強い
政治を「眺めている」若者の姿 096
ドイツ「海賊党」の衝撃
ワンテーマ政党の難しさ
若者と床屋の共通点
政治家を支持する日本、政党を支持するドイツ 100
ドイツ人の投票行動は日本化する?
隣国と和解するということ 102
独仏和解五○周年
宿敵同士も友人になれる
日中・日韓のわだかまりを消すには
国民の尊敬がドイツ大統領の要件 106
ヴルフ大統領の突然の辞任
大統領職の威信とは
第4章 魅力ある国を創る教育
国家を左右するのは判断力 112
「ものを教える」教育よりも大切なもの
若者をダメにするのは誰?
若者の海外旅行離れは本当か 116
外国を知らなくても幸せ?
陸続きのヨーロッパ、島国の日本
豊かさを実感できない若者たち
勇ましいサムライ青年 121
突然の訪問者
英語なしでも世界を放浪できる
日・独・中の教育改革 124
中国では幼稚園お受験が過熱
日本の教育の厳しさはちょうどいい
心を育てる武道 127
筑波大学と武道の深い関係
生涯の趣味となった合気道
大使の休日――極秘ホームステイ日記 131
第5章 忘れがたき東日本大震災
ブログ開設のきっかけは東日本大震災 144
私にも何かできないだろうか
議論を呼んだ大使館機能の大阪移行
外国人の不安を思いやる優しい人々
ドイツ人が胸打たれた日本人の強さ 148
外務大臣の突然の訪日
ドイツ人記者の見た被災地
被災者の勇気に感動した元環境大臣
ドイツ大使は板挟み 152
大使館を最も非難したのは妻
怒号飛ぶタウンホール・ミーティング
「あなたは無責任な大使だ」
被災地でのドイツ音楽コンサート 157
現地から受けた強烈な衝撃
音楽とソーセージでともに笑い、涙した
寺島しのぶさんのプロ根性に脱帽
震災と原発事故がドイツに与えた影響 162
両国のエネルギー政策は密接な関係がある
ドイツの流れは脱原発と再生可能エネルギー利用
第6章 もう一度日本で味わいたいこと
露天風呂 166
たとえ真夏でも入りたい
富士登山 170
憧れの山にいよいよ挑戦
ご来光の神々しさに感動
四季折々、山を歩く楽しさ
ゴールデン街 174
戦後日本の趣を残す街
仕込みみたいなお客さんたち
新鮮な魚 177
苦手な早起きをして築地へ
世界のどんな都市も敵わない魚料理
鉄道 180
私は“乗り鉄”
醤油とハイテク 182
奥深い技術が生活を支えている
源氏物語 184
最初に触れた日本文学
選挙戦 186
ひたすら繰り返される握手
この苦行には意味がある
日比谷のダンスホール 189
日本人が意外と知らない素敵な場所
日本の四季と庭の風景 192
夏の音と冷たいワイン
忘れられない公邸の日本庭園
舞踏 196
グロテスクの美
日本で知ったアングラ演劇の魅力
日本でもう「味わいたくない」こと 199
花粉との終わりなき戦い
桜 202
希望の花
案外編――シュタンツェル青年の日本留学記 205
おわりに(フォルカー・シュタンツェル) [220-223]
- 感想投稿日 : 2017年3月23日
- 読了日 : 2017年3月17日
- 本棚登録日 : 2017年3月17日
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