新書782移民たちの「満州」 (平凡社新書 782)

著者 :
  • 平凡社 (2015年7月15日発売)
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【書誌情報】
著者 二松啓紀[ふたまつ・ひろき] 記者。
価格 840円+税
出版年月日 2015/07/15
ISBN 9784582857825
版型 新書 280ページ
https://www.heibonsha.co.jp/smp/book/b200265.html

【目次】
目次 [003-007]
満州国地図 [008]

序章 最も身近な戦争体験としての「満州」 009
消えた同級生/戦争を知らない世代の「戦争」体験/満蒙開拓団の資料を託されて

第一章 満州国の誕生と大量移民の幕開け 021
満州事変から満州国誕生へ/五・一五事件と満州移民/日満議定書と平頂山事件/第一次武装移民とリットン調査団/第二次武装移民と依蘭事変/「満州移民のトーチカ」高橋是清の死/大量送出の時代へ

第二章 日中戦争と満州移民 045
満蒙開拓青少年義勇軍/移民の募集担当だった水上勉/教員が教え子を戦場へ/少年義勇軍の悲劇/「分村移民は精神運動」/分村計画の先駆け、宮城県南郷村/「優良村」だった山形県大和村/分村移民、三つのモデル/「移民」から「開拓民」へ

第三章 模範村「大日向村」の誕生 071
『蒼氓』で描かれた海外移民/ブラジル移民から満州移民へ/「名ばかりの暗い日陰の村」/農村問題の解決策として/現実の大日向村/小説に描かれなかった疑獄事件/分村移民のその後/島木健作の見た大日向村/「時局便乗小説」

第四章 形骸化する満蒙開拓事業 097
移民に対する負のイメージ/立ち消えた京都府の分村移民計画/京都府の視察団が満州大日向村へ/「国策」と「天皇」を御旗に/数合わせに終始した机上の計画/「成功」を装う満州天田郷建設/良識ある反対派を駆逐/「満人」に対する優越感/集落の割り当てから個人・家族選抜へ/継続こそが目的に/京都府内唯一の「模範」/波紋が大きかった高知県

第五章 戦争末期の満州と満蒙開拓団 129
都市部の転業者開拓団/天田郷開拓団は新聞でいかに報じられたか/京都市の平安郷開拓団/「満州に来るな」/戦禍の影すらない平和な日々/ソ連参戦と逃げ出した日本人官僚/開拓地を玉砕覚悟で死守すべし/玉音放送と松花江の惨劇/敗戦後も戦禍が続く

第六章 日本人の大量難民と収容所 159
傀儡帝国の崩壊/麻山の集団自決と葛根廟の大量虐殺/対照的な運命をたどった二つの開拓団/ハルビンの花園収容所/満州で最大規模だった新香坊収容所/過半数が死亡した伊漢通収容所/一五万人の難民が押し寄せた奉天/都市の居留民が見た難民収容所

第七章 引き揚げと戦後開拓──満州の記憶 195
東西冷戦が反映した引揚事業/日本人帰国の報に募る焦燥感/封じ込められた満州の記憶/日本人女性のための「秘密病院」/満蒙開拓の焼き直しだった戦後開拓/満州引揚者が再び京都の入植地へ/軽井沢の「大日向」/大日向を詠んだ御製/加藤完治と橋本傳左衛門のその後

第八章 一八歳のシベリア抑留──もう一つの収容所 225
消えた「アジア最強」の関東軍/史上最大の拉致事件/シベリアの強制収容所/初めての冬に三万人が死亡/帰国のための思想改造/蒼く澄み切った舞鶴の海

終章 消えない「満州」の残像 251
満州移民とは何だったのか/地方の裁量と責任/混在する加害と被害/今も続く「満州」

あとがき(二〇一五年四月二〇日 すべての戦争犠牲者に捧ぐ 二松啓紀) [261-262]
参考文献・資料 [263-269]
関連年表 [270-273]

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 334.人口・土地・資源
感想投稿日 : 2015年11月19日
本棚登録日 : 2015年11月19日

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