大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか

制作 : 若田部昌澄 
  • NTT出版 (2014年9月11日発売)
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“テクノロジー失業に陥らないために何をなすべきか?
 近年の世界的な富裕層と貧困層の格差拡大の根底には「経済のグローバル化」「テクノロジーの進化による生産性の向上」「停滞した産業と活力のある産業の二極化」という抗うことのできない変化がある。
本書では、飛躍的な進化を遂げるテクノロジー=機械の知能に注目し、技術革新が未来の雇用・所得・ワークスタイルに与える恐るべき影響を徹底検証する。”
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002317


【目次】
日本語版への序文(二〇一四年七月 タイラー・コーエン) [i-iii]
目次 [v-ix]

第1部──超実力社会の到来
第01章 iワールドの雇用と賃金 004
平均の終焉/機械の知能は何をもたらしたか/イノベーションはなぜiワールドで起きやすいのか

第02章 大いなる勝者と大いなる敗者 024
STEM――注目される四つの分野/マーケティングの重要性/マネジャーの報酬はなぜ高いのか/労働者に求められる素質/グーグル化する雇用世界/知的エリートはなぜ金融・法律・コンサルティングをめざすのか

第03章 なぜ多くの人が職に就けないのか?  055
賢い機械と労働参加率/アメリカの失業率が下がらない理由/大不況/宙ぶらりん世代のフリーランスたち

第2部──機械の知能
第04章 コンピュータチェスが教えてくれること 080
ゲーム化する仕事の世界/機械対機械の戦い/機械と人間の協働へ

第05章 人間と機械がチームを組む未来 092
フリースタイル・チェス──人間と機械の知の協働/機械の利用はもう当たり前/医療界では何が起きているか/フリースタイル・モデルの広がり

第06章 人間の直感はなぜ当てにならないのか? 113
恋人探しのアルゴリズム/意思決定の落とし穴/機械が人間を成長させる/直感的判断の限界

第07章 規格化・単純化される仕事の世界 134
規格化され、単純で、いらだたしい世界/機械の行動原理につき合わされる?/人間が機械に「採点」される時代/機械の判断責任をどう問うか

第08章 機械は人間に近づくのか?  161
極端な未来用僧都の現実味/チューリングテスト/人間を模倣できる機械/人間は非コンピュータ化する?/人間が機械を受け入れたくない領域

第3部──新しい世界
第09章 雇用の新しい地図 196
経済停滞はなぜ起きるのか/生産拠点の国外流出と移民の受け入れ/世界の経済地図はどう変わるか/新しい「北米の世紀」

第10章 「オンライン」が教育を変える 215
「生き延びる」ための教育/オンライン教育と大学の未来/ゲームの教育効果/平等な「超実力主義」の時代へ/対面教育が担う役割とは?/教師の役割が変わる

第11章 「みんなの科学」の終わり 246
科学の未来はどうなるか/専門分化が進む/問題が複雑化する/機械が「科学者」になる/経済学は理論退潮の時代へ

第12章 新しい社会的契約 274
一五%の超富裕層とその他大勢/財政難は社会をどう変えるか/実質賃金が減る/居住地が変わる/趣味や嗜好が変わる/未来の政治の姿──奇妙に平穏な時代


謝辞 [310]
注 [311-330]
解説──『大停滞』から『大格差』、そして先の未来へ(若田部昌澄) [331-342]
 1 著者タイラー・コーエンについて
 2 大不況後の経済論戦と『大格差』
 3 『大格差』から未来へ
 注
索引 [344-350]

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 330.経済学 総合
感想投稿日 : 2016年4月4日
読了日 : 2016年6月14日
本棚登録日 : 2016年3月29日

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