本当は福音館のもので再読するつもりだったけど、図書館で入手したのがこの西村書店のものだったので、こちらで。
(この出版社、知らないものだったけど、訳もよかったし、挿絵も美しくて、装丁にも満足。もっとがんばって売っていってほしいです)
読むあいだはとにかく先が知りたくて知りたくて。
かつて読んだことがある作品なのに、ぐいぐいと引きつけられてしまうのは、やはり物語のおもしろさ、そして(おもに)主人公の個性。
メアリのかわいげのなさ、は、かなりのインパクトでした。当時は相当の型破りだったはず。
挿絵でも当初のかわいくないメアリは顔色も悪く、陰気で不気味でした。後半は本当に愛らしい。
このワガママだけど、独自のこだわりをキッチリ持っている賢いヒロインは、子どもたちに人気だったことでしょう。
ディコンも、本当に人間ではないのでは、という書かれ方で(笑)、みんなに母子セットで信仰信頼されている様子には、驚かされました。けっこう強引なくらいでしたが・・。
コリンは、わがまま具合がかわいらしく、応援したい少年でした。
印象的なのは、やはり彼の呪文。
「魔法はぼくの中にある」「魔法はみんなの中にある」
「ぼくはこれからも生き続ける」
言葉、仲間、信じることの強さに胸をうたれました。
ストーリーがとにかく上手に作られていて、
秘密の花園の謎とき、少年の泣き声の謎とき、秘密の共有、日々の練習による体力づくりや健康への歩み、そして庭づくりと自然のもつ神秘的な力と美しさに魅せられていく様子。
一気に読める力のある大人でよかったとさえ思ったほどでした。
終盤の描き方、ちょっとアッサリすぎるかなとも思いましたが、余韻のある終わり方でよいかもしれませんね。
ところで。子どものころにこのアニメを見ていたのですが、当時、家族から、将来はディコンは戦争で死んでしまう、メアリはコリンと結婚する(従兄弟ですが)、と聞いていたのを覚えていました。
この続編?は実在するのか調べてみたのですが、よくわかりませんでした。映画にのみ登場する物語なのでしょうか?
ご存じのかたあれば教えてください。
確かにヒロイン一人、男の子二人だったら将来どうなるんだろう、とは気になりますよね・・。
- 感想投稿日 : 2012年10月31日
- 読了日 : 2012年10月31日
- 本棚登録日 : 2012年10月31日
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