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広告代理店勤務。真面目でゆるふわなマイペース。読書、映画、旅行、美味しいものと整理整頓が好き。シェアハウスで生活するこひつじでもある。
レビュー by maroonx8さん
この話は、アメリカの陪審員制度を背景に、人が人を裁く事の難しさを描いた作品です。
この映画の特徴は、いわゆるハリウッド的な映像効果や音楽、美術の力に一切頼っていないところにあると思う。ストーリーの大半は、たった一つの部屋で行われ、余計な効果音も、美術も、ましてや色すらない白黒の世界で、ただひたすら陪審員12人のディスカッションが行われる。しかし、この映画は、ただそれだけに関わらず、見ている側を決して飽きさせることがない。部屋の中の陪審員の緊張感や、ディスカッションでの心理戦、夏の夕暮れの暑さ、全てにおいて、想像することが容易い。これをみて、本当の映画の面白さというものは、ストーリーであって、他の全てに左右されないのだということを改めて実感した。
そして、この映画を見て感じた事としては他に、テーマである陪審員という立場の難しさということがあります。陪審員は、本来良い人・悪い人と簡単に二分できない人間を自らの考えに従って裁かなければならない。そして、裁判において、例え事実と証拠が揃っていようと、それは所詮人間が後から事件に沿うように行ったものなので、完璧なわけでもない。陪審員は、その中で自分の中にある偏見や周りの雰囲気をなるべく取り除き、本当にかすかな疑問点も無いのか、それを探し出す努力をしたか、と常に疑いながら有罪か無罪かの主張を出す事が必要なのである。
この映画の中で、一見当たり前のように感じるこれらの作業を行う事が、いかに難しいか、いかに人は自分の中にある偏見や雰囲気に流されてしまうか、という事を見る事ができ、とても胸にささりました。おそらくどんな答えを出しても、裁判において答えはこれだとわかる日は来ない。実際にこの映画でも、裁判にかけられていた少年が有罪であるか無罪であるかは描かれていない。真実というものは、いつも神のみぞ知る、ということでしょうか。陪審員は一方で、なるべく神のような客観的な視点から、いつも事実を見る努力をしなければならない。自分がもし陪審員に選ばれたとしたら、それができるだろうか。
とても後に引く映画です。
レビュー登録日 : 2010年08月14日
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