大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎 (2016年7月29日発売)
3.81
  • (21)
  • (36)
  • (23)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 387
感想 : 38
5

・大本営発表とは、日中戦争〜太平洋戦争にかけて軍部から発表されていた戦果報告のこと。
・今やデタラメな発表の代名詞として使われる「大本営発表」。これが実際どれだけデタラメだったか、何故そうなったか、そして教訓について詳細に、かつ分かりやすく書いた本。右寄りでも左寄りでも無くフラットなのがいい。
・これを読んで何故日本が負けたかと、今日本の製造業がダメになってるのか、凄く近いのではと感じた。
・勝ってる時は、正しい報告をすりゃ良かった。しかし、戦局が変わってから、戦意高揚という大義名分の元、水増ししたりしていた。後で帳尻合わせすればいいやと思っていたところもある。
・ベテランの兵士が次々戦死した結果、戦地から上がってくる情報の信憑性が悪くなった。煙があがっただけなのに沈没させた、など。それを現地で戦っている人間からの情報を訂正するとは何事か、という謎理論で修正しなかった。
・海軍と陸軍が完全に縦割りで、報道部も完全に分かれていた。互いのメンツを立てることに終始した結果、過剰な報告をしまくった。このままではヤバイと統合されたのは何と1945年。これでは救えない。
・結局、自分達が作った偽情報に惑わされて有用な作戦が立てられなくなってしまった。
・どっかの会社で聞いた話に近いな...

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年7月11日
読了日 : 2017年7月11日
本棚登録日 : 2017年7月11日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする