家族はなぜうまくいかないのか 論理的思考で考える(祥伝社新書)

著者 :
  • 祥伝社 (2014年12月1日発売)
3.35
  • (4)
  • (8)
  • (8)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 117
感想 : 11
5

日本の殺人事件の半数以上が親族がらみであり、日本で最も治安の悪い場所は家庭であると言っても過言ではない、との著者の指摘は
これまでの家庭観を覆すショッキングなもの。

第3章 「夫婦関係をよく保つには」」の中で、夫婦の会話がうまく噛み合わない原因を、「論説文 」と「物語り文」の違いに求める著者の視点に思わず膝を打つ。物事の是非を論じて 必ず結論を求める「論説文」と、登場人物に自分を重ねて深く共鳴することを目的とする「物語り文」。結論を求める男性と共感を求める女性。おそらく多くの夫婦が経験的に感じている男女の視点の違いを的確に表現。相手がどちらの文型で話しているのか理解することは、お互いのすれ違いを回避する有効な手立てであると深く共感。

また、オジサン化とオバサン化を防いで夫婦関係の鮮度を保つための具体的なアドバイスは、腹筋が痛くなるほど笑える。

経済学者である著者は、そのお堅い肩書きとは異なり、茶目っ気たっぷりのサービス精神と、奥方の話しに共感を持って耳を傾ける優しさで、きっと円満な家庭をマネージメントされていることだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年12月24日
読了日 : 2014年12月15日
本棚登録日 : 2014年12月15日

みんなの感想をみる

ツイートする