小説ではなくドキュメントまたはレポート
特攻第1号としてレイテ沖に散った関大尉。
最後の特攻隊員となった中津留大尉。
この二人の人生や生い立ち、そして特攻機にのることになってしまった経緯、当時の戦況、さらには海軍の狂気が語られています。
家族を残して飛び立ってい理不尽さ、切なさを感じます
とりわけ、中津留大尉の最期はつらい。敗戦を知っていたと思われる宇垣のいわば「私的特攻」につきあわされての特攻。米軍キャンプに突っ込む直前で、その命令に背き岩礁に突っ込み玉砕したエピソードは胸が詰まります。
戦争終結後の米軍基地への攻撃を回避したということが戦後の日本平和への軟着陸を果たしたという筆者のコメント。
死なずに済んだ命です。
さらに「桜花」や「回天」など特攻用の兵器開発を進めてきた海軍の狂気ぶり。そもそも何の目的の為にその行為を行っているのかが分からなくなっていきます。
戦争は悲惨さ、残酷さを感じる一冊です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2017年12月9日
- 読了日 : 2017年12月9日
- 本棚登録日 : 2017年12月9日
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